GNDプレーンによるEMI対策
GNDプレーンは基板上で最もインピーダンスが低く(面積が広く)なるようにすることで,それを利用して様々なEMI対策をすることができます.GNDプレーンについての注意点は以下のページに掲載されています.
EMC のための設計テクニック (第2版)_5.4 0V と電源のプレーン
EMC のための設計テクニック (第2版)_5.4.3 プレーンのコンポーネント、導体、及びシャーシへの RF 接続
GNDプレーンをシールドとして使うことで,ICや基板自体からの放射を抑える使い方ができます.
ノイズ対策.com_27.基板外周をGNDベタで囲う
ノイズ対策.com_23.ICの下はできるだけグランドを入れる
ただし,GNDの面積を極力広くしようとした結果,アンテナのように振る舞う場所ができてしまう可能性があるため,ビアやパスコンでアンテナになることを防ぐような対策が必要です.
ノイズ対策.com_10.GNDベタがノイズのアンテナとならない様にする
信号のリターンパスという観点で,GNDベタは最も使いやすい領域です.信号の内層にあるGNDベタは分断しないように注意が必要です.
ノイズ対策.com_2.GNDプレーンを分断しないよう設計する
ノイズ対策.com_3.GNDを分離しない
ノイズ対策.com_4.バスラインのビアはリターンパスを確保する
ノイズ対策.com_4.バスラインのビアはリターンパスを確保する
EMC のための設計テクニック (第2版)_5.4.5 プレーンのエッジの近くを、あるいはプレーン分割を横切って引かれるトレース
GNDスリットや信号ラインのビアについて,シミュレーションを用いて電界や電流の分布を可視化したものが以下のページで紹介されています.
宮城県産業技術総合センター_基板配線からの放射ノイズについて
一般的に多層基板にしてGNDの面積を増やすことでEMI対策効果は上がりますが,少ない総数のほうが基板は安くなります.以下のページではそこのトレードオフについて言及しています.
EMC のための設計テクニック (第2版)_5.4.6 多層 PCB の余裕がない?
多層基板にした場合にどの層をGNDプレーンとするかについては悩みどころですが,以下のページでは製造観点(リフロー時の基板反り)も含めて基本的な考え方が示されています.
EMC のための設計テクニック (第2版)_5.7 レイヤの積層
バイパスコンデンサによるリターンパスの確保は,パスコンの共振周波数以上では効果がないため,GNDと電源のベタを向かい合わせた領域を作ることで,コンデンサとしての機能をもたせ,より高い周波数でリターン電流のルートを確保することもできます.
EMC のための設計テクニック (第2版)_5.5.3 0V/電源プレーン・ペアの利点
ただしこの方法の効果もケースバイケースです.以下のページでは実測により電源ベタを最小限にする代わりにGNDベタを広げたことにより,EMI低減効果が出る実測結果を示しています.
宮城県産業技術総合センター_ベタ電源-ベタグランド基板の放射エミッション
高周波で表皮効果を考えると,GNDをベタではなくメッシュにした方がいいと考える事があるかもしれませんが,実際にはベタ(ソリッドプレーン)のほうが有効です.
EMC のための設計テクニック (第2版)_5.4 0V と電源のプレーン
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