アルミ電解コンデンサのESR
アルミ電解コンデンサは,直列に抵抗成分を持っています.
例えば日本ケミコンのEMVY6R3ADA220MD55Gという電解コンデンサでは,データシートで以下のように定義されています.
アルミ電解コンデンサは他のコンデンサに比べてもESRが大きく,更に温度での変動が大きいため,使用する際は注意が必要です.
日本ケミコンのEMVY6R3ADA220MD55Gという電解コンデンサでは,データシートで以下のように定義されています.この部品はD55というパッケージサイズの6.3V品なので,-40℃では20℃に比べて3倍になります.
さらに,ESRは経時変化します.少し分かりづらいですが,電解コンデンサにはtanδというパラメータが有り,以下のように定義されています.
静電容量とESRと周波数によって変わるパラメータで,静電容量も経時変化するため,それも考慮しなければなりませんが,ニチコンのUZR1C100MCL1GBという電解コンデンサは,85℃環境で1000時間使用した場合のtanδ上昇が初期値の300%以内であることが保証されています.時間が立つにつれ,次第に中の電解液が抜けていき,ESRは上昇します.また,その時の温度が高いほど早く上昇していきます.
LDO(電源IC)の出力で電解コンデンサを使用する場合,温度や経時変化によるESRの変化によって電源電圧が発振する場合があります.十分に位相余裕を確保するようにしましょう.
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