オペアンプの注意事項

■出力誤差
 オペアンプは回路に応じて入力信号を増幅しますが,出力には誤差が発生します.
 主な要因は入力オフセット電圧・入力バイアス電流で,それによる誤差は回路の増幅率で増幅されて出力に現れます.
 誤差要因と計算方法については,以下の資料に分かり易くまとめられています.
MICROCHIP_オペアンプを使用したデザインの精度:DC誤差

 

■出力電圧範囲
 オペアンプに接続されている電源電圧に近い(または超える)電圧は出力できません.
 単電源のオペアンプでは,電源電圧とGNDを電源としますが,その付近まで出力したい場合は,レールtoレール出力のオペアンプを使用すると,かなり電源電圧に近い値まで出力できます.
 通常のオペアンプで少しでもGNDに近い電圧を出力したい場合は,出力にプルダウン抵抗を接続すると多少GND側の出力可能範囲が広がります.
ルネサス_FAQ_単電源のオペアンプを使っていますが,出力電圧が1V以下になりません

 

■保護
 オペアンプの入力がノイズ等にさらされる場合,保護回路を入れる必要がありますが,それでも定格を超えてしまう可能性がある場合は,間に抵抗を入れると破壊しづらくなる場合があります.ただし,定格を超えている状態での出力はどうなるかわかりません(物によって挙動が違うようです).
ルネサス_FAQ_オペアンプの過電圧入力に対する保護回路はどのように設計すればいいのですか?
JRC_FAQ_オペアンプの入力電圧が電源電圧を超えてしまいますが,使用上の問題がアリますでしょうか?

 

■応力
 オペアンプに限ったことではありませんが,基板に応力がかかると,ピエゾ効果により出力が変動する場合があります.ストレスや振動が加わる場合は,その状態での変動が許容範囲内か確認する必要があります.
ルネサス_FAQ_オペアンプの基板に応力が加わると,特性は変動しますか?
JRC_FAQ_オペアンプを基板に実装した状態で基板に応力を加えると出力が変化するのですが,なぜでしょうか?

 

■未使用端子処理
 オペアンプで1パッケージに複数の素子が入っている場合,使わないオペアンプが出てくる場合があります.その場合は適切に未使用端子を処理する必要があります.
JRC_FAQ_4回路、6回路などの多回路入りオペアンプで、使用しない回路の空き端子の処理は、どのようにすればよいでしょうか?
ルネサス_複数チャネル内蔵で、使用しないオペアンプの処理は?

 

■位相余裕
 オペアンプは位相余裕がなくなると異常発振します.特にボルテージフォロワの出力にコンデンサを直結するような使い方をする場合,発振しやすくなるため注意が必要です.
JRC_ボルテージフォロワで安定的に使用するために、配慮すべき点はありますか?
TI_位相・ゲイン余裕の小さいオペアンプの使用の注意点
CQ connect_ボルテージ・フォロワで発振が止まる回路はどっち?

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