抵抗の定格電力

 抵抗には耐えられる限界の電力が有ります.RohmのMCR004シリーズという抵抗では0.031Wが定格電力です.

 

MCR004の定格電力

 

電力の計算方法は以下のとおりです.実際に印加される電圧と抵抗値から算出します.

 

抵抗の電力計算方法

 

 定格電力は温度によって変わるため,負荷軽減曲線に従って使用温度範囲での電力を確認する必要があります.

 

MCR004シリーズの負荷軽減曲線

 

 定格電力は壊れないギリギリの電力ですが,定格電力ぎりぎりで使用すると,抵抗自体が恐ろしいほど熱を持ちます.感覚的には定格電力の40%以下となるように使用することをお勧めします.

 

■参考リンク
KOA公式ホームページ_負荷軽減曲線とは何ですか?

 

 負荷軽減曲線の横軸は,抵抗自体の温度で定義されている場合と,周囲温度で定義されている場合があります.抵抗自体の温度は,抵抗自体が電力消費によって発熱する分はもちろん,近くに配置されている発熱部品による温度上昇もあるため,通常は実測して確認します.周囲温度については,かなり曖昧な表記ですが,Rohmのホームページでは以下のように定義しています.
 "抵抗器自体に電力負荷されていない状況で、室温や抵抗器周囲の発熱によって抵抗器が暴露される抵抗器周辺の雰囲気温度です。"

 

 この場合,SMT抵抗を高温の基板に乗せているがファンを使用しているため雰囲気温度は低い場合や,逆に温風の通り道にあるが基板はそれほど発熱していない場合など,メーカーの意図とは異なる場合の扱いが難しくなります.
 一部のメーカーでは,この周囲温度での規定をやめる動きがあります.背景等は以下のサイトに載っています.
KOA公式ホームページ_端子部温度規定とは

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