トランジスタのSOA

 トランジスタに瞬間的に電流を流す場合,一瞬だけ大きな電力がトランジスタにかかります.この時にトランジスタが壊れないか確認するのが安全動作領域というグラフです.例えばルネサスの2SC3518というPNPトランジスタでは,データシートで以下のように定義されています.

 

2SC3518のSOA

 

 瞬間的にコレクタに流れる電流と,その時のコレクタ-エミッタ間の電圧を実測し,安全動作領域から出ない事を確認する必要があります.電力消費による発熱で限界値が決まるため,印加される時間が長いほど限界値は低くなります.実際の例がローム公式ホームページに掲載されています.

 

 ただし,データシートに載っているSOAは常温での保証値なので,高温で使用する場合は,もっと範囲が狭くなります.高温でのSOAは次のような補正が必要です.ロームの公式ホームページではSOAの温度ディレーティングを以下のように定義しています.

 

トランジスタSOAの温度補正

 

 繰り返しスイッチングする場合には,SOAに加えて積分電力の確認が必要です.ローム公式ホームページに算出例が掲載されています.

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