リニアレギュレータの位相余裕

 リニアレギュレータを使用する上で最も気を使うのが異常発振です.異常発振とは,例えば本来5Vが出ているべき出力に5Vを中心とした交流信号が出力される現象です.
参考リンク
TI_電源ICに何故,位相保証が必要なのか

 

 リニアレギュレータでは実機での位相余裕を直接測れるものも有りますが,物によっては構造上測れないものもあります.そのような場合は使用する最大電流と最小電流をガチャガチャと切り替えた時の応答特性から位相余裕を大まかに推定することができます.以下のリンクはスイッチングレギュレータの例ですが,基本的には同様です.
TechWeb_電源ICの技術情報サイト_スイッチングレギュレータの評価_負荷過渡応答
TechWeb_電源ICの技術情報サイト_リニアレギュレータの重要スペック_過渡応答

 

 大雑把に要点を言うと,電流が急変した時に応答が早過ぎるとリンギングが発生します(発振しやすい).遅すぎると電圧が一瞬変動して元に戻るのに時間がかかります(負荷変動に追従できない).

 

 位相余裕が直接測れるデバイスであれば,ネットワークアナライザ等を用いて測定することができます.
AgilentTechnologies_LFネットワーク・アナライザによるDC-DCコンバータ特性評価
エヌエフ回路ブロック_スイッチング電源の安定性測定
LeCroyApplicationBrief_位相マージンの測定

 

 位相余裕の確認で注意すべきなのは,この特性は出力のコンデンサの特性に影響を受けるため,コンデンサの温度特性によっては温度が変わると突然発振してしまう,といった事がよく起こります.特にリニアレギュレータ出力に電解コンデンサを使用している場合,低温で発振するというのはよく聞く話です.

 

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