水晶発振子の注意事項

 水晶発振子には様々な注意事項が有りますが,以下に代表的な注意事項を記載します.

 

■発振余裕度
 水晶振動子は受動部品ですので,発振回路と組み合わせた時に正確に発振するかどうかは発振回路次第です.設計した発振回路で安定して発振できるかどうかを評価する指標として,発振余裕度があります.
 測定方法は以下のリンクに記載されています.発振余裕度がない場合は,抵抗やコンデンサの定数を変更したり,場合によっては水晶発振子の内部抵抗(CI値)が違う物への変更や,アンプの再選定が必要になります.
村田製作所_水晶振動子_発振余裕度
多摩デバイス_水晶発振回路の負性抵抗

 

■発振開始時間
 発振回路は電源を入れた瞬間から安定して発振するわけではなく,安定するまでには一定の時間がかかります.その時間は発振回路によって異なるため,発振が安定するまでの時間を確認する必要があります.この時間は発振回路の定数だけでなく,配線パターンによっても変動するため注意が必要です.
RICHO_発振回路周辺の設計方法_1.4_第3の容量(CS)の影響_発振開始時間vsCS特性

 

■配線パターン
 水晶発振子は配線パターンによって発振が不安定になったり周波数がずれる可能性があります.基本的には最短で配線し,GNDでガードした上で,他の回路から離す事が望ましいです.
村田製作所_基板設計,実装上の注意事項
RSエレクトロニクスセンター_水晶振動子編_EMIへの配慮
TI_MSP430クリスタル回路の安定動作設計手法_P16_クリスタルのレイアウト
ノイズ対策.com_21.水晶発振子(発振器)下にはパターンを通さない
EPSON_“nRF51x22シリーズ”をご検討のお客様へ
八雲インズ_基板設計について
京セラ_■プリント基板の設計に関する御注意

 

■超音波洗浄による共振
 水晶発振子は圧電効果により,発振時に物理的な振動を伴うため,超音波洗浄等で外部から振動させられると,周波数やエネルギーによっては特性が劣化します.
日本電波工業_アプリケーションノート_水晶振動子_2-2.はんだ付け,超音波洗浄について
村田製作所_水晶振動子のFAQ

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