アルミ電解コンデンサの故障モード

 アルミ電解コンデンサを間違った使い方で使用した場合.故障する可能性があります.アルミ電解コンデンサには大きく4種類の壊れ方が有ります.

 

■圧力弁動作
 部品面の弁が裂け,中の電解液が吹き出す故障です.逆電圧や過電圧を印加した場合などにこのような故障モードになります.なお,漏れだした電解液は,PCB基板のパターンを腐食させるため,パターンが断線したりショートしたりする可能性があります.また,圧力弁は異常時に天面が裂けるように設計されているため,天面が塞がれていると動作できず,圧力が高まって横の面から派手に破裂します.
Panasonic_アルミ電解コンデンサテクニカルガイド_P12_コンデンサ周辺部の故障
ニチコン_アルミニウム電解コンデンサご使用上の注意事項_P9~_回路設計上の注意事項・取り付け時の注意事項

 

■オープン故障
 抵抗値が極端に大きくなる(1kΩ→1MΩ等)故障です.部品自体が大きいため,共振点が低く,連続的な振動により物理的に足がもげて脱落する場合や,極度に電解液が揮発した場合などにこのような故障モードになります.

 

■ショート故障
 抵抗値が極端に小さくなる(1MΩ→1Ω等)故障です.コンデンサは直流電流を流さないため,通常抵抗値は非常に大きいですが,過電圧や逆電圧・製造不良などにより,このような故障モードになります.

 

■容量値変動(減少)
 容量値が変わる(1uF→0.5uF等)故障です.設計想定を超える長時間の使用や,高温での仕様で寿命を超えた場合などにこのような故障モードになります.通称ドライアップと言われます.

 

 なお,電解コンデンサに樹脂コーティング等をする場合,封止ゴムの劣化や熱膨張によるストレスで性能が低下する場合があるため,必要に応じてメーカーに確認が必要です.
ニチコン_アルミニウム電解コンデンサご使用上の注意事項_P24_固定剤,コーティング剤

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