抵抗の使用例

 抵抗には,様々な利用方法が有りますが,例えば以下の様な例があります.

 

■トランジスタのベース電流制限
 トランジスタはベース電流を増幅した電流がコレクタ-エミッタ間に流れるため,ベース電流を任意の値にする必要があります.抵抗に対して決まった電圧を書けることで,ベースに流れる電流をコントロールすることができます.下図の赤丸部分がその抵抗です.

 

トランジスタのベース電流制限抵抗

 

■LEDの電流制限
 LEDは電流に応じて明るさが変わるため,電流をコントロールすることによって明るさを制御できます.抵抗に対して決まった電圧をかけることで,LEDに流れる電流をコントロールすることができます.

 

LEDの電流制限抵抗

 

■ダンピング抵抗
 デジタル信号は配線のインダクタンス/キャパシタンス成分により共振が起こる場合があるため,抵抗を入れることにより共振を緩和し,波形品質を改善することができます.ダンピング抵抗は極力出力端子の直近に配置します.

 

デジタル信号のダンピング抵抗

 

■突入電流制限
 電源を入れた瞬間に回路内のデカップリングコンデンサ等にチャージされる電流を制限することで,スイッチの溶着やスパークを防ぐことができます.

 

ラッシュ電流制限抵抗

 

■プルアップ/プルダウン
 トランジスタやFETを使用したオープンコレクタ/オープンドレインでは,プルアップ抵抗による電位固定が必要なため,必ずプルアップ抵抗を使用します.これがないとトランジスタをOFF/ONしても電圧が変化しないため,狙った動作ができません.

 

オープンドレインのプルアップ抵抗

 

 その他にも,マイコンのポート等で制御している端子は,電源のON/OFFのタイミングで,端子がフローティングになる場合が多いため,必要に応じてプルアップ/プルダウン抵抗を使用して機能に影響しないようにします.下記の例では,起動時にデジタル回路入力がLでないと誤動作する場合の処置です.

 

デジタルポートの電位固定抵抗

 

■電圧分割
 電圧が高すぎて扱いづらい場合,抵抗によって電圧を分割し,扱いやすい電圧に変換することができます.例えば,マイコンのA/Dポートでバッテリ電圧を監視する場合等に使用します.

 

分圧回路

 

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