コネクタの注意事項

 コネクタには様々な注意事項が有りますが,以下に代表的な注意事項を記載します.一般的な注意事項は下記ページに掲載されています.
omron_コネクタ共通の注意事項

 

■挿抜回数
 コネクタは繰り返し挿抜できる限界回数が有ります.ただしこの回数はかなり丁寧にまっすぐゆっくり抜き差しした時の値なので,乱暴に挿抜するとこの回数まで持ちません.繰り返し挿抜する場合は,ユースケースに応じてある程度マージンを持って設計します.
omron_コネクタ共通の注意事項_P2_コネクタの挿抜について

 

■強度
 コネクタは基板にネジ止めするタイプと,基板に半田で固定されるタイプがあります.ハンダは繰り返しのストレスに弱く,基板もあまり強くないため,ヒネったり乱暴に挿抜するとすぐに基板ごと破損してしまうことが有ります.コネクタの選定もユースケースに応じて気にする必要があります.
 MicroUSB等,基板にハンダ付けで固定されるコネクタの場合,ストレスを受ける部分は,強度を上げるために補強金具を打つ・基板の銅箔を広いベタ面にする・ビアを多めに打つ等で気休め程度の補強は可能です.
SMK_コネクタ_Micro-USBコネクタの技術動向

 

■接触抵抗
 コネクタは物理的に金属同士を接触させて導通させるため,押し付ける力や表面の粗さの変化で接触面積が変化すると,接触抵抗が変動します.
パナソニック_コネクタにおける接触抵抗と絶縁抵抗
オートネットワーク_鈴及び銀めっき電気接点の接触抵抗予測
ミヤテックエンタープライズ_コネクタの基礎知識_コネクタの接触するメカニズム

 

■端子の酸化
 コネクタにマイクロメートルオーダーの細かい摺動(微小動作)が繰り返し加わると,コンタクトの接触面(メッキ部分)が摩擦により摩耗し,徐々に酸化していった結果,接触不良となることが有ります.この現象をフレッティングコロージョンといいます.特に錫メッキコンタクトの接触面で起きやすいため,使用する際は実際のユースケースでこのような現象が起こらないことを確認し,場合によっては対策が必要です.
ミヤテックエンタープライズ_コネクタの基礎知識_微摺動摩耗とは何か?
デンソー_表面分析による電気的導通現象の解析

 

 対策としては,コンタクトへの防錆剤の塗布が有効です.また,錫めっきの場合は金メッキに変更する(接触圧も変更する),金メッキの場合はメッキ厚を厚くする等の対策方法もあります.
 微摺動を軽減するためにハーネスを固定する事で効果がある場合もありますが,固定によってコンタクトにテンションがかかると,バネ部品であるコンタクトに意図しない方向から力が加わり,変形や接触の偏りでバネとしての機能が失われた結果,接触圧が弱くなり,接触不良や瞬断の原因となるため,固定する場合はコンタクトにテンションが掛からないよう注意が必要です.
※情報提供:横浜のコネクタ専門輸入商社 ミヤテックエンタープライズ 代表 宮内 真澄 様

 

 あまり過信できませんが,酸化膜は以下の様な方法でも除去できる可能性があります.
・ワイピング
 酸化膜が形成されてしまった場合,挿抜することにより接点が擦れて導通が改善する可能性があります.
 ミヤテックエンタープライズ_コネクタの基礎知識_ワイピングとは
・コヒーラ効果
 酸化膜に対して一定値以上の電圧をかけると,急激に電流が流れ始める現象(トンネル効果)があります.この現象を利用して,多少の酸化であれば境界面に無理やり電流を流せる可能性があります.
 omron_一般リレー参考資料_(2)コヒーラ効果
 兵庫大学_電気接点表面と接触のメカニズム

 

■コネクタ端子表面のメッキ
 コネクタ同士の接触端子には,金メッキ・錫メッキがよく使用されます.金メッキはコストが高い代わりに接触抵抗が低く劣化しづらいため信頼性が高く,錫メッキは接触抵抗が金と比べれば高く端子の接点圧を高くする必要がありますが,コストは安くできます.
ファインネクス_コネクタ端子表面仕上げメッキ
RS Japan_電線対基板用コネクタ編_数の圧力_選定の指針
ヒロセ_基板対電線コネクタ使用の手引_3-1.めっき選択目安
神戸製鋼_やさしい技術_銅合金板上の表面処理
R&D 神戸製鋼技報_端子・コネクタ用電機スズメッキ銅合金板条

 

 ただし,錫メッキと金メッキを組み合わせて使用すると,腐食が発生し,接触不良の原因になるため注意が必要です.
メッキ.com_コネクターめっき種類の選定ポイント
 なお,錫メッキは金メッキに比べて必要な接点圧が約3倍高く,金メッキと同じ接点圧で錫メッキを使用すると,接触抵抗が上昇するだけでなく,振動により動きやすくなるため,フレッティングコロージョンにより酸化膜が形成されやすくなります.

 

■活線挿抜
 主に通信ラインを外部と接続している場合,通信中に接続しているコネクタを挿抜すると回路が故障することが有ります.コネクタは必ず電源を落としてから挿抜しましょう.ユーザーが活線挿抜できてしまう製品では,破壊しないようにする必要があります.
EDN Japan_通信デバイスがなぜか故障,その陰に”活線挿抜”アリ
TI_ボードを挿したらシステムダウン,活線挿抜でのトラブル解決法を教えて!
ポジトロニック_活線挿抜コネクタ

 

 ちなみにUSBなどは挿し込み時に電源GNDが先に接触し,抜くときには最後に抜けるため,通信ラインが接続される時には必ず電源が入った状態になるように設計されています.

トップページへ戻る


メルマガ登録


Sponsored Link


このエントリーをはてなブックマークに追加  


問い合わせメールフォーム


関連ページ

コネクタの基本
駆け出しの電子回路設計者のためのポータルサイト
コネクタの互換性
駆け出しの電子回路設計者のためのポータルサイト
コネクタのインピーダンス整合
駆け出しの電子回路設計者のためのポータルサイト
コネクタの故障モード
駆け出しの電子回路設計者のためのポータルサイト