抵抗記事一覧

抵抗の基本

 抵抗とは電流を電圧に・電圧を電流に変換する変換器です.回路図上ではギザギザの記号で表されます.JISでは下図の下側のように四角い記号に変わりましたが,国内ではあまり使われていないようです. 抵抗にかかる電圧と電流の関係はオームの法則で表されています.電圧が大きくなると電流も増え,電流をたくさん流す...

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抵抗の使用例

 抵抗には,様々な利用方法が有りますが,例えば以下の様な例があります.■トランジスタのベース電流制限 トランジスタはベース電流を増幅した電流がコレクタ-エミッタ間に流れるため,ベース電流を任意の値にする必要があります.抵抗に対して決まった電圧を書けることで,ベースに流れる電流をコントロールすることが...

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抵抗の精度

 抵抗には精度があります.精度は一般的に品名の中に記載されており,Dは±0.5%,Fは±1%,Gが±2%,Jが±5%,Kが±10%,Mが±20%といった具合です.例えばロームのMCR004YZPJ100という抵抗は,10ΩのJ品(±5%)です. 精度の範囲内の物であれば文句は言えないため,精度を考慮...

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抵抗の温度特性

 抵抗値は温度によって変動します.データシートでは抵抗温度係数(T.C.R)等と表記されており,単位は[ppm/℃]です.例えば±300ppm/℃であれば,1℃あたり300ppm(0.03%),100℃上昇すれば3%の変動があることになります. 以下の表はRohmのMCR004シリーズのデータシート...

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抵抗の経時変化

 高精度な抵抗を必要とする場合には経時変化も考慮する必要があります.例えば日本ファインケムのHPシリーズでは"経時変化が小さい"抵抗としていますが,±0.5%の経時変化をスペックとして記載しています. この項目は記載されていない場合が多いため,精度にマージンがない場合は必要に応じてメーカーに確認が必...

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E系列

 抵抗値の大きさは,どんな値でも自由に選べるわけではありません.通常はE系列という規格に則った値が汎用品として用意されています.E系列にはE6やE24など,Eの後に数字がついており,例えばE48では1〜10の間に48種類の抵抗値が用意されています.この値を10倍・100倍していけば10以上の値も知る...

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抵抗の使用電圧

 抵抗には印加していい最大電圧が有ります.この電圧を超える電圧を連続して印加した場合,導通破壊を起こします.RohmのMCR004シリーズという抵抗では,15Vが上限です. 一般的には後述の定格電力の方が厳しいため,あまり気にされません.ただし抵抗値が高い場合,電力があまり消費されず,定格電圧が問題...

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抵抗の定格電力

 抵抗には耐えられる限界の電力が有ります.RohmのMCR004シリーズという抵抗では0.031Wが定格電力です.電力の計算方法は以下のとおりです.実際に印加される電圧と抵抗値から算出します. 定格電力は温度によって変わるため,負荷軽減曲線に従って使用温度範囲での電力を確認する必要があります. 定格...

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抵抗のワンパルス電力

 抵抗には定格電力の他に,ワンパルス電力というものがあります.これは,定格電力を超える電力がごく短い時間だけ印加される場合に,壊れないことを保証する規格です.瞬間的に大きな電力がかかる場合は気にする必要があります.例えば,電源スイッチを入れた瞬間や,雷サージ等がかかっても壊れない製品を設計する時など...

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抵抗の故障モード

 抵抗を間違った使い方で使用した場合.故障する可能性があります.抵抗には大きく3種類の壊れ方が有ります.■オープン故障 抵抗値が極端に大きくなる(1kΩ→1MΩ等)故障です.定格電力を超える電力をかけた場合や,抵抗自体が物理的に割れてしまった場合などにこのような故障モードになります.■ショート故障 ...

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