コンデンサによるEMI対策
コンデンサを利用すると,電流ループを小さくできるため,うまく使えばEMI対策に効果的です.
TDK_TechMag_コンデンサは最もシンプルなノイズフィルタ
セラミックコンデンサ記事一覧
コンデンサのインピーダンスは高周波ではESLによって共振点を持ち,ある周波数以上で上昇に転じます.
村田製作所_コンデンサのインピーダンス_ESRの周波数特性とは?
それによってコンデンサとしての機能を発揮できず,効果が出にくい場合や,並列に複数のコンデンサを使わないと効果がない場合もあります.
そのような場合,低ESL型のセラミックコンデンサという製品もあるため,状況に応じて検討しても良いかもしれません.ただし,パッドの形が違うため,置き換えには基板変更が必要です.
TDK_低ESL型積層セラミックコンデンサ
ESLは部品(端子)サイズが小さいほど小さくなるので,手軽な方法として,サイズを1つ落とすことでESLを下げることもできます.
村田製作所_エミフィルによるノイズ対策応用の手引I_代表的なコンデンサのESL
定数/サイズの違うコンデンサを複数並べることで,広い周波数で電源インピーダンスを下げることができます.バイパスコンデンサによく使われる方法です.
TDK_並列接続された積層セラミックコンデンサの合成インピーダンス
しかし選ぶ定数によっては反共振という現象が発生し,特定周波数でインピーダンスが上昇します.以下のページでバイパスコンデンサの効果の解説や,並列接続時の反共振の解説が掲載されています.
村田製作所_3.5_コンデンサの並列接続と反共振
反共振はセラミックコンデンサの搭載位置やパターン/ビア/サイズ等複雑な要因で変化するため,部品単体でのシミュレーションでは判断ができません.実際の基板上でベクトルネットワークアナライザを使用すれば測定できますが,測定器が高価なので中々測定できる機会はありません.
宮城県産業技術センター_並列使用時の挿入損失・インピーダンス
対策として,ESRコントロール積層セラミックコンデンサという製品があります.ESRをあえて少し高い値にすることで,共振を緩和して反共振を防ぐ事ができます.
TDK_ESRコントロール積層セラミックコンデンサ
以下のページではパスコンを並列に使用する場合に目安となる考え方が示されています.
EMC のための設計テクニック (第2版)_5.5.4 給電システム共振への対処
バイパスコンデンサによるEMI対策効果は以下のページで実測例が掲載されています.
宮城県産業技術総合センター_デカップリングコンデンサ
TDK_高速デジタル回路のEMC対策_電源ラインのEMC設計
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